お金を借りるというとカードローンや消費者金融が思い浮かびます。
実は、質屋でもお金を借りることができるのですが、利用したことがある人は少ないのではないでしょうか。
- 「カードローンの借入はなんとなくイメージできるけど、質屋で借入ってどんな感じ?」
- 「質屋とカードローンの違いは?」
- 「そもそも質屋ってどんなサービスなの?」
という方のために、質屋とカードローンを比較しながら、質屋の借り入れサービスについてわかりやすく解説します。
担保の違い
まず、質屋の仕組みを知るには、担保について知っておく必要があります。
カードローン | 無担保 |
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質屋 | 自分の持ち物を預ける |
通常、カードローンでは無担保で借り入れができます。
その代わり借り入れ審査があり、返済の見込みがある人のみ借り入れができます。
カードローンは無担保ではありますが、言い換えればその人の信用を担保にした貸付とも言えます。
質屋でお金を借りるときは、自分の持ち物を担保として質屋に預けます。
これを質草(しちぐさ)といい、借り入れの返済ができなければ売却されて返済に当てられます。
このように質屋では、担保を取って、その価値に応じたお金を貸すという取引が基本となります。
借入期間と返済の違い
カードローン | 最長60ヶ月 |
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質屋 | 3ヶ月(延長可能) |
カードローンの場合は、借入金額によって違いますが、例えば10万円を借入た場合の返済期間は最長60ヶ月と設定されている場合が多いです。
借りた10万円と利息を60ヶ月で分割して返済します。
一方、質屋の借入は3ヶ月以内が基本です。
この期間に元本と利息を含めて返済が出来ない場合、預けた品物は売却(質流「しちながれ」)され、その後の返済は不要になります。
しかし、3ヶ月後に利息のみ支払って元本返済と品物の売却を延長させることが可能です。
手順の違い
カードローン(Web申込)
- Webサイトから申込
- 仮審査
- 必要書類の提出
- 本審査
- カード発行(or 振込申請可能)
質屋
- 質屋へ品物を持ち込む
- 査定
- 査定金額を確認
- お金と預かり証(質札「しちふだ」)を受け取る
利用の手順で大きく違うのは、カードローンはWeb申込などインターネット経由での借入が可能なのに対して、質屋は必ず店舗で受付をする必要があるという点です。
これは、質屋の法律で登録された店舗以外では手続きが出来ない様にしてあるためです。
また、借入方法もカードローンの場合、ATMでの引き出しや振込で借入れるのに対して、質屋ではその場でお金を受け取ることになります。
質屋では、預けた品物は返すことが基本ですので引き換えに預かり証が発行されます。
利用資格の違い
カードローン | 20歳〜69歳で安定した収入のある人 |
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質屋 | 18歳以上 |
カードローンは利用資格として、年齢制限以外に収入についての条件がつきます。
安定した収入が必要で、会社員や自営業、アルバイトなどの仕事をしていることが条件となります。
一方、質屋の利用条件は年齢のみです。
品物を担保にとるので無職であっても利用できますし、70歳以上であっても利用できるます。
このように借りる人の属性に縛られずに利用できる点が、質屋のカードローンとの大きな違いです。
審査有無の違い
カードローン | 審査あり(在籍確認や信用調査) |
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質屋 | 審査なし(品物の査定のみ) |
カードローンでは、本人確認、会社への在籍確認や収入証明、信用情報の調査など審査が必要になります。
しかし、質屋ではそのような審査はありません。
その代わり、持ち込んだ品物の査定があり、その査定額が貸し出し金額の上限になります。
売却した時に価値のあるブランド品や貴金属類は高い査定となり、金銭価値が低いものでは査定額が低く、場合によっては値段がつけられないと融資を断られることになります。
必要書類の違い
カードローン | ・身分証明書 ・健康保険証(在籍証明) ・給与明細(収入証明)など |
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質屋 | ・身分証明書 ・預ける品物 |
カードローンの場合、利用条件として収入があることが上げられています。
その為、収入の有無や会社の在籍状況を確認するための書類が必要となります。
質屋については、そうした証明の必要がないため必要書類も身分証のみで手続きできます。
その代わり、担保として質屋に預ける品物を持ち込む必要があります。
この時質屋に預ける品物のことを質草「しちぐさ」と言います。
金利の違いは?
金利にも違いがあります。
カードローンは「年利」で計算されることが一般的ですが、質屋では「月利」で計算されることが普通です。
ここでは比較しやすいように、どちらも年利で表記しています。
法律上の金利上限と、実際の金利相場について比べて見ましょう。
年利の上限
カードローン | 20% |
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質屋 | 109.5% |
カードローンの場合、「出資法」「利息制限法」により貸出金利の上限は年20%と決まっています。
一方、質屋は「質屋営業法」という法律があり月利9%(年109.5%)の融資が可能となっています。
とはいえ質屋が一律109.5%で貸付をしているわけではありません。
実際の質屋金利は、月利5%(年60%)が相場となっています。
一方、カードローンでは借入金額の多少にもよりますが、年利18%での貸付が相場となっています。
実際の金利違い
カードローン | 年利18% |
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質屋 | 年利60% |
法律上の上限金利で比べるとかなり差がありますが、実際に適用されている金利の相場を比べると大きな開きではなくなります。
しかし、カードローンなどに比べて、質屋の方が高い金利になることがほとんどです。
大黒屋は質屋でもカードローンなみの低金利
金券ショップとしても全国的に知られている大黒屋ですが、元々は質屋として創業されています。
一部の店舗に限られますが、大黒屋は質屋の中でも低金利で融資をしていて、例えば10万円の借入だと月利1.5%(年利18%)で借り入れが可能です。
これは、他の大手カードローンと比較しても遜色ない金利で借り入れが可能です。
大黒屋(質屋) | 年利18%(月利1.5%) |
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SMBCモビットカードローン | 年利18% |
オリック銀行カードローン | 年利17.8% |
借入上限の違い
カードローン | 〜500万円 |
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質屋 | 1万円〜1000万円以上も (預ける品物の価値による) |
カードローンの場合、例えばプロミスの場合、最大で500万円が上限となっています。
上限金額は借りる人の審査内容によっても違ってきます。
カードローンは借りる人の信用を担保にした貸し出しなので、その人の収入や社会的信用を元に借入の金額が変わります。
一方、質屋は、持ち込んだ品物の価値で貸付の上限が決まります。
たとえば、持ち込んだ高級腕時計に10万円の価値があると査定されれば、貸し出し金額の上限も10万円になります。
質屋ではどんな品物(質草)を持ち込めばいい?
質屋を使う時、どんな品物を持ち込めばいいか気になりますよね。
一般的なのは、ブランドものの腕時計やバック、財布、貴金属類などです。
例えば、
- ロレックスの腕時計
- ルイヴィトンのバック
- ダイヤの指輪
- 金の記念コイン
などであればどこの質屋でも受け付けてもらえるでしょう。
もちろんこれ以外にも、価値のあるものであれば、カメラやパソコン、楽器類なども対象になります。
こうしたものは中古でも価値が目減りしづらいので、査定金額も高くなります。
つまり、この様に売却した時の価値が、質草として価値の基準になります。
質屋で預かりか?買取か?
それなら、質屋と買取業者の違いってなんだろうって疑問になりますよね。
多くの質屋では、品物を持ち込むと「買取」か「預かり」かを選ぶことが出来ます。
いわゆる質屋の仕組みは「預かり」です。
預かりにしろ買取にしろ、鑑定士が商品価値を査定するのですが、同じ品物でも「預かり」の方が「買取り」より査定金額が約2割程度安くなります。
買取りの場合は、持ち込んだ品物の代金をすぐに渡されて、そのままお店に並んで販売されます。
一方、預かりは、3ヶ月の保管期間が設定されていて、質屋はこの期間は必ず品物を保管しておかなくてはなりません。
お店に並んで売却されるのは、3ヶ月過ぎて返済ができなかった場合です。
査定の算出方法
買取り | 持ち込んだ時の買取相場 |
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預かり | 3ヶ月の保管期間を考慮して算出(約2割減) |
質屋からしたら3ヶ月の間保管しておくコストもかかりますし、3ヶ月後に売却する場合、値下がりする可能性もあります。
そうしたリスクを考慮して査定しなくてはなりません。
そのため「買取り」より「預かり」の方が低い金額で査定されます。
持ち込んだ商品にそれほど思い入れもなく、戻って来なくてもいいのであれば、預かりより買取を選んだ方がお得ということです。
クレジットカードの現金化なら審査も来店も不要
質屋では来店や担保が必要だし、カードローンでは審査が必要です。
どちらも借り入れするなら、それなりに手間や条件がつきます。
クレジットカードを持っていればショッピング枠で現金を調達することも可能です。
審査は不要ですし、担保を差し出す必要もありません。
しかも、Web申し込みで即日振込も可能です。
質屋より便利でカードローンより手軽なおすすめの業者をご紹介しますので、もしカードを持っているなら是非検討してみてください。
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